ビアンキ・オルトレ XR 試乗インプレッション記事 [自転車]
ビアンキ・オルトレ XR
昨年からトッププロチームへのバイク供給を復活させた名門イタリアンブランド、ビアンキ。今年も引き続きオランダのヴァカンソレイユとタッグを組むが、その主要機はマイナーチェンジを果たした「オルトレ XR」となる。万能かつ扱いやすい性能でレースからロングライドまで対応するモデルの試乗レポート記事を紹介します。
ヴァカンソレイユ仕様のオールラウンダー
「オルトレ XR」のフレーム形状は従来のオルトレと同様。素材についても40&60tクラスのHMカーボン繊維にナノパウダー配合のレジンを用いることに変更はない。しかし、ダウンチューブからチェーンステーまでの素材の選択や積層などを見直すことで、剛性の強化とともに軽量化を果たしている。具体的には30g減少した895gのフレーム単体重量(55サイズ)を実現しながら、剛性については20%の向上を果たしている。
トッププロレースのハイスピードライドを念頭に、エアロフィンを装備したフォーククラウンや翼断面を持ち、ホイールカットアウトされたシートチューブなど空力性能を意識した造形のフレームは印象的。しかも、きわめてバランスに優れたオールラウンドな性能を追求している。パワーラインについてはダウンチューブからBB30規格のハンガーシェル、チェーンステーまでの一体感にあふれる作りによってパワーロスが抑えられている。一方のパワーラインはきゃしゃな印象。アーチ状のトップチューブに始まり、UTSS(ウルトラ・シン・シートステー)と呼ばれるきわめて細いシートステーによってパワーラインとの剛性をバランスしながら、乗り心地の向上と脚への負担の少ないペダリングフィールが追求されている。
オルトレXRは今回のマイナーチェンジを受けて重量比剛性と空力、そして快適性という最新レーシングバイクに必要とされる要素をさらなるレベルへと引き上げ、高次元なオールラウンド性をいっそう際立たせることとなった。
カンパニョーロ・スーパーレコードEPS 11 SP 完成車価格 120万7,500円
【仕様】
フレーム:カーボン
フォーク:カーボン
コンポーネント:カンパニョーロ・スーパーレコードEPS 11 SP
ホイール:フルクラム・レーシングスピードXLR
タイヤ:ハッチンソン・カーボンコンプ 700×23C
ハンドルバー:3T・エルゴノヴァ プロ
ステム:3T・アークスチーム
サドル:フィジーク・アリオネキウム
シートポスト:オルトレ・フルカーボンエアロ
試乗車実測重量:6.63kg(55サイズ、ペダルなし)
サイズ:47、50、53、55、57、59、61
カラー:OC
フロントフォークのクラウン後方にはエアロフィンが装備されている。ダウンチューブとの間隔を埋めるようにすることで前から受ける風を後方へとスムーズに流して空力効果を高める。
ヘッドチューブは下側のベアリングを1-1/4インチに設計したテーパードタイプ。正面から見るとわずかにアワーグラス状に成型され、空気抵抗を高めると同時に重量増を防いでいる。
ボリューム感のあるチェーンステーに対し、きわめて極細に設計されたUTSSと呼ばれるシートステー。不安にも思える細さだが走りに問題はなく、快適性の向上に大きく貢献する。
トップチューブは、シートポスト側の断面積をかなり抑えた設計。全体のアーチシェイプとともに振動吸収性の向上、パワーラインとの剛性バランスを調整して快適な走りを与える。
チェーンステーは縦方向にボリュームを持つデザイン。中間付近をしっかりと内側に絞り込み、さらにその付近の断面積を増やして効率性と快適性を両立するペダリングが追求される。
■ハンガーシェルはBB30規格を採用。ダウンチューブからハンガーシェル、チェーンステーまでを流れるような一体感のある造形として最適な剛性バランスが追求されている。
以下、試乗インプレッション記事より(抜粋)
フレーム形状やスペックからも万能な性能を追求したことが想像できるオルトレXRだが、その走りには開発コンセプトがしっかりと反映されている。
前作のオルトレはガッチリというよりも、しなやかな感覚のあるフレームだった。
今作は剛性が向上したとはいえガチガチという作りではなく、基本設計は継承されている。
ヘッドからハンガー部まではしっかり感があるが、チェーンステーとアッパーラインの剛性は抑えられ、それがフレーム全体に最適な剛性バランスをもたらしている。
出足に驚くほどの鋭さは感じないが、それでもレースには不足のないレベルだ。そして、このバイクの美点は高い巡航性にある。
レーススピードで走り続けるような場面ではペダルを踏みやすく、しかも脚への負担が少ないため巡航時間を延ばすことができる。
また、加速についても中~後半で伸びる感覚がある。
【のっぽさんのコメント】
ビアンキオーナーとしては、ビアンキのプロチームへの機材提供の復活や、試乗インプレッションでの高評価はうれしい限りです。(^_^)
ビアンキといえば一昔前(いや二昔前?)の全盛期には「ジロ・デ・イタリア個人総合優勝12回」、「ツール・ド・フランス個人総合優勝3回」など輝かしい成績を残していることは、忘れ去られている感がありますが、現在でもレースに対する情熱を熱く感じます。
非常にボリューム感のある、ヘッド周りやダウンチューブが私は好きです。
オルトレは、巡航性能が高く、非常にまとまりのあるバイクに仕上がっているようですね。
それにしても120万円はレース用としても高価ですね。(>_<)
注)使用した画像および記事についての著作権は、すべてCYCLE SOPRTS.jp(株式会社八重洲出版)にあります。
自転車 ブログランキング始めました!応援のクリックお願いします!
自転車 ブログランキングへ
続く
スポンサーリンク
昨年からトッププロチームへのバイク供給を復活させた名門イタリアンブランド、ビアンキ。今年も引き続きオランダのヴァカンソレイユとタッグを組むが、その主要機はマイナーチェンジを果たした「オルトレ XR」となる。万能かつ扱いやすい性能でレースからロングライドまで対応するモデルの試乗レポート記事を紹介します。
ヴァカンソレイユ仕様のオールラウンダー
「オルトレ XR」のフレーム形状は従来のオルトレと同様。素材についても40&60tクラスのHMカーボン繊維にナノパウダー配合のレジンを用いることに変更はない。しかし、ダウンチューブからチェーンステーまでの素材の選択や積層などを見直すことで、剛性の強化とともに軽量化を果たしている。具体的には30g減少した895gのフレーム単体重量(55サイズ)を実現しながら、剛性については20%の向上を果たしている。
トッププロレースのハイスピードライドを念頭に、エアロフィンを装備したフォーククラウンや翼断面を持ち、ホイールカットアウトされたシートチューブなど空力性能を意識した造形のフレームは印象的。しかも、きわめてバランスに優れたオールラウンドな性能を追求している。パワーラインについてはダウンチューブからBB30規格のハンガーシェル、チェーンステーまでの一体感にあふれる作りによってパワーロスが抑えられている。一方のパワーラインはきゃしゃな印象。アーチ状のトップチューブに始まり、UTSS(ウルトラ・シン・シートステー)と呼ばれるきわめて細いシートステーによってパワーラインとの剛性をバランスしながら、乗り心地の向上と脚への負担の少ないペダリングフィールが追求されている。
オルトレXRは今回のマイナーチェンジを受けて重量比剛性と空力、そして快適性という最新レーシングバイクに必要とされる要素をさらなるレベルへと引き上げ、高次元なオールラウンド性をいっそう際立たせることとなった。
カンパニョーロ・スーパーレコードEPS 11 SP 完成車価格 120万7,500円
【仕様】
フレーム:カーボン
フォーク:カーボン
コンポーネント:カンパニョーロ・スーパーレコードEPS 11 SP
ホイール:フルクラム・レーシングスピードXLR
タイヤ:ハッチンソン・カーボンコンプ 700×23C
ハンドルバー:3T・エルゴノヴァ プロ
ステム:3T・アークスチーム
サドル:フィジーク・アリオネキウム
シートポスト:オルトレ・フルカーボンエアロ
試乗車実測重量:6.63kg(55サイズ、ペダルなし)
サイズ:47、50、53、55、57、59、61
カラー:OC
フロントフォークのクラウン後方にはエアロフィンが装備されている。ダウンチューブとの間隔を埋めるようにすることで前から受ける風を後方へとスムーズに流して空力効果を高める。
ヘッドチューブは下側のベアリングを1-1/4インチに設計したテーパードタイプ。正面から見るとわずかにアワーグラス状に成型され、空気抵抗を高めると同時に重量増を防いでいる。
ボリューム感のあるチェーンステーに対し、きわめて極細に設計されたUTSSと呼ばれるシートステー。不安にも思える細さだが走りに問題はなく、快適性の向上に大きく貢献する。
トップチューブは、シートポスト側の断面積をかなり抑えた設計。全体のアーチシェイプとともに振動吸収性の向上、パワーラインとの剛性バランスを調整して快適な走りを与える。
チェーンステーは縦方向にボリュームを持つデザイン。中間付近をしっかりと内側に絞り込み、さらにその付近の断面積を増やして効率性と快適性を両立するペダリングが追求される。
■ハンガーシェルはBB30規格を採用。ダウンチューブからハンガーシェル、チェーンステーまでを流れるような一体感のある造形として最適な剛性バランスが追求されている。
以下、試乗インプレッション記事より(抜粋)
フレーム形状やスペックからも万能な性能を追求したことが想像できるオルトレXRだが、その走りには開発コンセプトがしっかりと反映されている。
前作のオルトレはガッチリというよりも、しなやかな感覚のあるフレームだった。
今作は剛性が向上したとはいえガチガチという作りではなく、基本設計は継承されている。
ヘッドからハンガー部まではしっかり感があるが、チェーンステーとアッパーラインの剛性は抑えられ、それがフレーム全体に最適な剛性バランスをもたらしている。
出足に驚くほどの鋭さは感じないが、それでもレースには不足のないレベルだ。そして、このバイクの美点は高い巡航性にある。
レーススピードで走り続けるような場面ではペダルを踏みやすく、しかも脚への負担が少ないため巡航時間を延ばすことができる。
また、加速についても中~後半で伸びる感覚がある。
【のっぽさんのコメント】
ビアンキオーナーとしては、ビアンキのプロチームへの機材提供の復活や、試乗インプレッションでの高評価はうれしい限りです。(^_^)
ビアンキといえば一昔前(いや二昔前?)の全盛期には「ジロ・デ・イタリア個人総合優勝12回」、「ツール・ド・フランス個人総合優勝3回」など輝かしい成績を残していることは、忘れ去られている感がありますが、現在でもレースに対する情熱を熱く感じます。
非常にボリューム感のある、ヘッド周りやダウンチューブが私は好きです。
オルトレは、巡航性能が高く、非常にまとまりのあるバイクに仕上がっているようですね。
それにしても120万円はレース用としても高価ですね。(>_<)
注)使用した画像および記事についての著作権は、すべてCYCLE SOPRTS.jp(株式会社八重洲出版)にあります。
自転車 ブログランキング始めました!応援のクリックお願いします!
自転車 ブログランキングへ
続く
スポンサーリンク
コメント 0